演習生の他に、研究生の受け入れをしています。本研究科の在学院生のほとんどが社会人です。大学院を修了しても研究を続けたい(投稿論文を投稿したい、学会発表をしたい、やはり博士後期課程に進学したいなど)方を対象に受け入れをしています。詳細は大学院に直接問い合わせをしてください。毎年数名の方を受け入れています。2025年度も受け入れをします。
2025年A週(隔週)月曜日19時00分〜21時00分で実施する予定です。
開講時限:A週土曜日3・4時限(14時40分〜17時50分)
授業方法:ハイフレックス型(対面@青山キャンパス・オンライン)
受入定員:最大8名 ※毎年最大人数まで受入れています。
本演習では、「新たな知の体系を構築する=社会の価値創造の担い手」をテーマに、履修者自身の知識や経験がどの社会領域で活用され、どのように社会的価値を生み出すことができるのかを深く考察していきます。社会人として豊富な実務経験を持つ履修者にとって、これまで培ってきた知識やスキルを理論化し、新たな知識体系として結実させることは、専門職学位論文を通じて社会的意義を高める挑戦となります。
※毎年、主演習しか受入れられておりません。ご希望される方はご留意ください。
この演習の目的は、履修者が実務教育研究科の修了要件である「専門職学位論文」を執筆し、完成させることを支援することです。しかし、それだけにとどまらず、本演習では以下の2つの目標を掲げています:
問題関心に基づく議論
履修者それぞれが抱える問題意識や関心に基づいて議論を深めることで、研究テーマを明確化し、より具体的な問いや命題へと発展させます。
「実践の理論」の創造
自身が実践している場面で還元可能な「実践の理論」を履修者自身が創造することを目指します。これは単なる研究成果ではなく、現場で役立つ理論やフレームワークとして構築されるものです。
本演習では、履修者それぞれの問題意識や関心に基づき、幅広いテーマ設定が可能です。以下はその一例ですが、これらに限定されるものではありません。履修者自身の実務経験や社会的課題への関心を反映したテーマ設定を歓迎します。
知識社会学
知識がどのように形成され、社会的文脈の中で機能するかを探究するテーマ。知識の正当性や権威、知識と権力の関係なども含まれます。
知の体系化
新たな知識領域や概念フレームワークを構築することを目指すテーマ。専門分野の垣根を越えた学際的なアプローチも歓迎します。
学習社会論
学び続ける社会(Learning Society)をどのように設計し実現するか。個人と社会の両面から学びの仕組みを考察します。
高等教育機関の構想
未来志向型の大学や専門学校の在り方に関するテーマ。教育プログラム、組織運営、地域連携など、多角的な視点から検討します。
職業教育
実務能力育成と教育プログラム設計に焦点を当てたテーマ。特定の職業分野における教育モデルやカリキュラム開発も含まれます。
リカレント教育
生涯学習や社会教育制度の革新に関するテーマ。働きながら学び続ける仕組みや政策提言なども対象となります。
能力開発
個人や組織における能力開発(スキルアップ)の理論と実践に関するテーマ。特に、現場で求められる能力をいかに育成し評価するかについて探究します。
職業社会学・職業分析
職業と社会との関係性を分析するテーマ。例えば、職業選択と社会構造、職場文化、キャリア形成、働き方改革などが含まれます。
これらのテーマはあくまで参考例であり、履修者自身が持つ独自の視点や経験を基に、新たな研究課題を設定することが可能です。本演習では、多様なバックグラウンドを持つ履修者同士が議論し合うことで、それぞれの研究がさらに深まることを期待しています。また、これまでにも「実践知の体系化」や「新たな知識領域の構想」といった野心的なテーマに取り組む方々が多く在籍しており、その成果は現場で活用される理論として結実しています。これまでにも、実践知の体系化、新たな知識領域の構想など、野心的で独創的なテーマに取り組む履修者が多く在籍してきました。例えば、「現場で培ったリーダーシップ理論」「地域連携による教育モデル」など、多様な視点から社会に貢献する研究が生まれています。
自分自身と向き合う探究プロセス
本演習では、自身がこれまで培ってきた知識や経験を振り返り、それらを理論化・体系化するプロセスを通じて、新たな自己発見と成長を促します。
実践と理論を結びつける架け橋
現場で役立つ実践的な理論を自ら創造し、それを専門職学位論文という形で具現化します。このプロセスは、自身のキャリアや社会貢献にも直結します。
多様なバックグラウンドから生まれる相互刺激
演習には多様な業界・分野から集まった履修者が参加します。そのため、異なる視点から得られるフィードバックや議論は、自身の研究をさらに深める貴重な機会となります。
社会人として挑む「新しい価値創造」
社会人として蓄積した経験やスキルを活かしながら、新しい価値創造に挑戦できる場です。これにより、自分自身だけでなく所属組織や社会全体への貢献につながります。
本演習は、履修者それぞれの関心や研究テーマに基づき、研究の進捗状況を管理しながら助言・指導を行うことを主軸としています。専門職学位論文の執筆は、履修者自身が自律的に進めるべきプロセスであり、演習はその支援とガイド役を果たします。以下に、本演習の具体的な進め方について説明します。
前期では、履修者の発表に加え、毎回30分程度「研究手法」に関する話題提供を行います。これにより、研究を進める上で必要な基礎知識や方法論を共有し、各自の研究に応用できるよう支援します。
各履修者が自身の研究進捗や課題について発表します。他者からのフィードバックを受けることで、新たな視点や改善点を得る機会とします。
後期では、前期で蓄積した内容をもとに、論文執筆をさらに具体化・深化させます。履修者は9回程度の発表機会(前期・後期通じて)を通じて、自身の研究内容をブラッシュアップしていきます。
各演習ごとにプログレスレポート(A4サイズ1〜2枚)を作成し提出します。このレポートは、自身の研究進捗状況や課題を整理し、他者と共有するための重要なツールです。
プログレスレポートには以下を含めます:
現在までの進捗状況
今後取り組むべき課題
他者から意見を求めたい点
自身の発表だけでなく、他者の発表にもコメントすることが求められます。他者へのレビューは、自分自身の研究にも新たな視点や気づきをもたらす重要なプロセスです。
演習外活動として、月に1回30分程度の個別指導時間を設けます。
この時間では、各履修者が抱える具体的な課題や疑問について深く議論し、解決策を模索します。
個別指導では、それぞれの履修者が抱える異なるニーズに応じたアドバイスやサポートを行います。
プログレスレポート(A4サイズ1〜2枚)
プログレスレポート
発表資料(これまで書いてきたものや考え中の内容)
専門職学位論文本文
論文目次(スケルトン)
論文命題
書き散らしたメモやアイデアなど
発表内容に応じて適宜資料を提示してください。例えば、仮説検証のデータや参考文献リストなども有効です。
各自が研究方法や進捗状況について定期的に報告し合うことで、互いに刺激を受けながら学び合う環境を作ります。
専門職学位論文は、演習への出席だけで完成するものではありません。履修者自身が主体的に取り組む姿勢が求められます。
本演習では、「自分自身で考え抜く力」を育むことと同時に、多様なバックグラウンドを持つ他者との議論やフィードバックによって、新しい視点やアイデアを得ることができます。このプロセスは、専門職学位論文完成への大きな助けとなるだけでなく、自身の実践知を理論化し社会へ還元する貴重な機会となるでしょう。
本演習では、履修者が専門職学位論文を執筆する過程で、自身の考えや主張を明確化し、それを論理的に展開できるよう指導します。
その第一歩として、「まずは、書きたいことを書く」という方針を掲げています。このアプローチには以下の意図と目的があります。
自分の考えを掘り下げるため
初めから完璧な文章や構成を目指す必要はありません。「何が言いたいのか」「どんな問題意識があるのか」を自由に書き出すことで、自分自身の思考を整理し、深めることができます。
主張の核を見つけるため
書き出した内容を振り返ることで、「自分が本当に主張したいこと」が浮かび上がってきます。これが論文全体の中心命題となり、その後の議論や構成の基盤となります。
書くことへのハードルを下げるため
社会人として多忙な中で論文を書くことはプレッシャーになりがちです。まずは自由に書くことで、執筆への心理的な負担を軽減し、スムーズにスタートを切ることができます。
以下の手順で履修者が「書きたいこと」を明確化し、それを論文として形にしていくプロセスを支援します。
自由記述
自分が研究したいテーマについて、背景や問題意識、期待する成果などを書き出します。
この段階では形式や正確さにこだわらず、とにかく思いついたことを書いてみることが大切です。
問いかけ:それはあなたが主張したいことですか?
書き出した内容をもとに、「自分が本当に伝えたいこと」「中心となる主張」を問い直します。
「なぜそのテーマに取り組むのか?」「その研究によって何を明らかにしたいのか?」といった質問を通じて、主張の核を明確化します。
構造化と整理
書き出した内容を整理し、論文のスケルトン(骨格)として構造化します。
これによって、主張とそれを支える議論や証拠の関係性が明確になります。
フィードバックとブラッシュアップ
初期段階では不完全でも構いません。ゼミ内で共有し、他者からフィードバックを受けながら内容を洗練させていきます。
自己表現力と主体性の向上
自由に書くことで、自分自身の考えや価値観に向き合う機会となり、自己表現力や主体性が高まります。
研究テーマへの愛着形成
書きたいことからスタートすることで、自分自身が納得できるテーマ設定につながり、研究へのモチベーションも向上します。
実践知との結びつき
自由記述によって生まれるアイデアは、多くの場合、履修者自身の実務経験や課題意識と深く結びついています。この方針は、その実践知を理論化する第一歩として非常に有効です。
「まずは、書きたいことを書く」という指導方針は、一見シンプルですが、自分自身の考えや主張と向き合う重要なプロセスです。そして、「それはあなたが主張したいことですか?」という問いかけを繰り返すことで、自身の研究テーマとその意義がより明確になります。このプロセスを通じて、履修者一人ひとりが納得感と説得力のある専門職学位論文を完成させられるよう全力でサポートしていきます。
本演習は、単なる学術的探究ではなく、「自分自身が生み出す知識がどんな形で社会に貢献できるか」を問い直す場です。これまで積み上げてきた経験や知見を基盤に、新たな知識体系を構築し、それを通じて「価値創造」を担う存在へと成長する機会となります。この挑戦的なプロセスは、履修者一人ひとりにとってかけがえのない財産となることを期待しています。
※毎年、夏にM1とM2、修了生・研究生を含めて合同研究会を実施しています。
プログレスレポートは、研究の進捗状況を自分自身を含めゼミ全体で共有するための重要なツールです。この報告を通じて、研究の現状を整理し、次のステップに向けた課題や計画を明確にすることが目的です。以下に、プログレスレポートの各項目について説明します。
自分が取り組んでいる専門職学位論文や研究成果報告書を端的に表現するタイトルを記載します。
研究全体の方向性を示す重要な要素です。
研究の意義や背景を簡潔に説明します。
なぜこの研究が価値あるものなのか、またどのような課題や問題意識から着手したのかを明らかにします。
研究によって達成したい目標や、主張したい内容、または仮説を明確に示します。
「何を明らかにしたいのか」「どんな結果を得たいのか」を簡潔に記述してください。
この研究がもたらす成果や、その応用可能性について述べます。
読者や実践者にとってどのような価値があるのか、また発展的な内容や真の目的についても触れてください。
調査や実験など、研究活動全体の概要とそのタイムスケジュールを示します。
今後の計画が具体的であるほど、進捗管理がしやすくなります。
現在までにどこまで進んでいるのか、前回報告時点からどれだけ進展したかを記述します。
今後どのようなスケジュールで進めていく予定なのかも明記してください。
順調さや遅れがある場合、その理由と対策についても触れると良いでしょう。
現在直面している問題点や課題を整理して提示します。
自分自身で考えた克服方法があればそれを示し、ゼミ参加者から意見を求める場として活用してください。
解決策が見つからない場合は、ゼミ内で議論しながら打開策を探ることも大切です。
論文執筆作業以外の調査・分析などについて、自分なりに進捗度合いを百分率で評価します。
全体像を把握するためにも、自分自身で進捗状況を客観的に振り返る機会としてください。
プログレスレポートは単なる報告ではなく、自分自身の研究プロセスを整理し、ゼミ参加者との意見交換によって新たな視点や解決策を得るための貴重な場です。適切な準備と構成で臨むことで、研究活動全体がより効果的に進むことにつながります。
日系企業と外資系企業統合時の葛藤について
キャリアモデル理論の統合
ファシリテーターの能力ー場を読むことー
初等中等教育の学級経営について
学習指導要領の生徒・児童の活用について
プラチナナースのキャリア形成
新規学校種設置に関する実務的研究
地域の専修学校の経営に関する研究
研修講師の能力開発
大学キャリア教育の開発
A&Rの形式知化
ユースワーカーの能力に関する研究
知識社会学と実践知の研究
意思決定の研究
科学技術社会論(AIの利活用)に関する研究
プロジェクトマネジメントに関する研究
郷土愛を育む教育
大学職員のキャリア開発 など…